タクシー運転手は個人事業主としても働けます。ただ、誰にでもなれるわけではありません。実際に、タクシー会社に勤務する場合と異なる面も多いです。今回は、タクシー運転手で個人事業主になる方法やメリット・デメリットを解説します。
個人事業主のタクシー運転手とは
個人事業主のタクシー運転手はタクシー会社に属さずに自分ひとりでタクシー運転の仕事をしている人のことです。一般的には個人タクシーと呼ばれています。
個人タクシーの車両は「個人」と書かれた行灯が付いているのが特徴です。街中で見かけることも多いでしょう。
タクシー運転手が個人事業主になる方法
タクシー運転手は最初から個人事業主にはなれません。一定の条件を満たしたのちに、個人事業主になるための申請ができます。
条件の内容は年齢によって異なりますが、どの年齢でも運転をする仕事の経験が最低でも10年は必要です。また、申請時点で65歳未満でなければなりません。
このことから、遅くとも55歳までにはタクシー会社に就職してタクシー運転手の仕事を始める必要があります。
また、申請する際には試験を受けて合格しなければなりません。合格後2年以内に申請する必要があります。
申請日前3年間無事故無違反といった条件もあり、違反をしたり事故を起こしたりしている場合は申請できません。
そのほか2種免許の保有や営業区域内に居住していることなどの条件もあります。
タクシー運転手が個人事業主になるメリットとデメリット
個人事業主のタクシー運転手はタクシー会社に勤務する場合と比べて、次のようなメリットとデメリットがあります。
メリット
個人事業主なら売上はすべて自分の収入になります。タクシー会社に勤務していて多くの売上を上げている人なら個人事業主になった後に収入アップが見込めるでしょう。
自分の都合に合わせて働けるのもメリットです。勤務時間や休日などを自分で自由に決められます。また、定年はあるものの、75歳までと少し長く働くことが可能です。
個人タクシーの組合があり、加入していれば無線配車を利用できるなどのメリットもあります。
デメリット
個人事業主になると車両を自分で購入しなければなりません。整備費用なども自己負担になります。
また、会社がサポートしてくれることがないため何があっても自己責任です。事故に遭って車両が破損したら、修理代は自分で負担しなければなりません。修理中は車両を使用できないため収入も減ります。お客様とトラブルになった際にも、自分で解決しなければなりません。
個人事業主は自由度が高い反面で、リスクも高いのがデメリットです。休みを多くすることもできますが、そうすると収入も減ってしまいます。
毎年確定申告も必要です。自分でやるのは手間がかかり、税理士に依頼すればお金がかかります。
まとめ
個人事業主のタクシー運転手になるには条件が多く意外と大変です。メリットだけでなくデメリットも多いため、きちんと把握しておきましょう。
また、最低でも10年の経験が必要になるため、まずはタクシー会社に勤務する必要があります。未経験の方はタクシー会社の求人に応募するところから始めてみましょう。