さまざまな業界でAIの活用が進んでいます。タクシー運転手になりたい人のなかには、AIの普及で運転手の需要がなくなるのではないかと気になっている方も多いのではないでしょうか。今回はタクシー業界でのAIの普及状況や将来性について解説します。
タクシー業界でもAIが普及
タクシー業界では次のようなAIがすでに活用されています。
NTTドコモの「AIタクシー」
NTTドコモでは、過去にAIを活用してタクシー需要の情報を配信するAIタクシーというサービスを提供していました。携帯電話のネットワークを利用して、人の流れを予測し、どこに行けば乗客を乗せられるかがリアルタイムでわかるというものです。
AIタクシーを活用すれば、経験の浅いタクシー運転手でも乗客を見つけられます。
しかし、このAIタクシーは2022年6月15日にサービスを終了しています。配車アプリの普及が主な理由です。
大和の「AI 搭載TAXI」
AI搭載TAXIはソニーグループが開発した需要予測サービスを搭載したタクシーです。
これまでのタクシーの走行データをもとにして、過去に需要が高かったスポットがわかります。鉄道の遅延情報・イベント終了時刻・天気予測などのデータもリアルタイムでの表示が可能です。
さらに、配車アプリと連携して使用することもできます。需給状況がリアルタイムで把握できるため、効率的な営業に役立てられています。
KDDI×WILLER「mobi」
mobiは乗り合い型のAIオンデマンド交通で、KDDI総合研究所が開発したアプリです。オンデマンドタクシーで活用されています。
mobiでは、乗客がスマホで予約をすると、最適な走行経路をAIが自動計算してタクシーに表示されます。複数の乗客が相乗りする場合にも、運転手は最適な経路がすぐにわかるなど新たな交通手段として期待されています。
AIによってタクシー運転手の需要がなくなる?
現状ではAIがタクシー業界で活用されているものの、運転自体は従来のやり方で運転手が行っています。
AIによる自動運転をタクシー業界が導入するには、安全性や法の整備など課題が多くあり難しいのが実情です。無人タクシーが登場する未来はあるかもしれませんが、何十年も先になるでしょう。
また、無人タクシーが登場してもタクシー運転手の仕事がなくなる可能性は低いといえます。タクシーを利用する乗客の中にはサポートを必要とする人もいます。無人ですべて対応することは難しいため、人が運転するタクシーはどうしても必要になります。
まとめ
タクシー業界ではすでにAIが活用されていますが、需要予測や経路の計算などが中心です。AIによる自動運転を取り入れるのはかなり難しく、タクシー運転手の需要がなくなるわけではありません。
AIの普及により営業が楽になり、タクシー運転手にとっては仕事をしやすくなる可能性が高いでしょう。