タクシー運転手の仕事はなくなる?逆にまだまだ必要だといえる事情

「タクシー運転手という仕事は自動運転の普及でなくなる!」そんな声を聞くこともあるかもしれません。しかし結論として、タクシー運転手が必要なくなる未来はまだまだ先です。今回は、タクシー運転手の将来性について解説します。

タクシー業界をとりまく事情

タクシー業界には新しい動きがいくつも出ていますが、それらが直ちに「運転手不要」に結びつくわけではありません。ここでは現在の変化を整理してみましょう。

まず注目されるのは自動運転技術の進展です。世界的にみると、試験運行や限定的な導入が進んでいる国もありますが、日本ではまだ実証段階にとどまっており、一般利用までには時間を要します。

また、日本版ライドシェア(自家用車活用事業)も始まっていますが、安全面や信頼性への不安から、利用者の抵抗感は根強い状況です。

さらに、景気の停滞で国内需要が伸び悩む一方、インバウンド需要は好調を維持しています。訪日観光客の増加により、特に都市部や観光地ではタクシー利用が拡大しています。

そして人口減少が進む中でも、需要は低下一辺倒ではありません。高齢者の免許返納が増えているため、移動手段としてタクシーの需要がむしろ高まっている地域もあるのです。

タクシー運転手が今後も必要な理由

タクシー運転手という職業がすぐに不要になるわけではありません。その背景を具体的に見ていきましょう。

インバウンド増加が追い風に

外国人観光客の増加は、タクシー需要を支える大きな要因です。公共交通の使い方に不慣れな観光客にとって、目的地まで直接行けるタクシーは便利な存在です。

特にスーツケースを持つ旅行者や深夜の移動など、タクシーに頼る場面は多くあります。観光都市では今後も需要の拡大が見込まれるでしょう。

都市部の需要は高い

都市部では日常的にタクシーを利用する人が一定数存在します。終電を逃したときや短距離移動、雨の日の移動など、タクシーが重宝される場面は多く、安定した需要が期待できます。

特にビジネス街や繁華街では「タクシーがないと困る」という状況が日常的に発生しています。

人手不足が続いている

タクシー業界はドライバーの高齢化が進み、退職者が増えています。そのため若手や未経験者への需要は高まる一方です。

多くのタクシー会社が採用活動に力を入れており、研修制度や収入保証などのサポートも整えています。異業種からの転職者も歓迎されやすく、安心して働き始められる環境が整ってきているのが現状です。

自動運転のレベル向上までは時間がかかる

自動運転の実現には、技術面だけでなく、道路環境や法律整備、通信インフラの構築といった多くの課題があります。

そのため、まずは決まったルートを走る路線バスや商業施設の循環バスなどに導入される可能性が高く、タクシーへの全面導入はまだ先と考えられています。完全自動運転が普及するまで、運転手の役割は欠かせません。

まとめ

タクシー運転手は自動運転の影響を受けるものの、観光需要や都市部の利用、人手不足などから今後もしばらくは必要とされ続ける職業です。安心して転職を検討できる環境は整っているため、興味がある方は一歩踏み出してみてはいかがでしょうか。

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